2012年11月03日

藤本義一。氏の訃報に思う。

藤本義一氏が亡くなった。「東の井上、西の藤本」 学生時代からラジオドラマなどの公募に積極的に応じ、優秀な成績で名を知られていた井上ひさしと藤本義一の二人。先に井上氏。これで東西の両氏が亡くなってしまった。
私の本棚には両氏の著作が共に20冊くらい。二人には楽しませて頂いた。

藤本氏には上方の芸人や作家、いかがわしい生業の人たちを扱った著作だけでなく、映画駅前シリーズや、勝新、田宮二郎の「悪名」の脚本で、テレビでは若いころのヒット番組「11PM」でと粋でスマートな藤本氏に楽しませて頂いた。街を歩けば「ぎィっちゃん」と親しげに声を掛けられそうなそんな柔らかな表情が想い出される。

私が藤本氏に親しみを覚えていたのはこれら気に入りの作品が故だけでなく、幼いころから藤本家と親しくし可愛がられていた女優Wさんとの思い出があるからでもある。「子供さんの名前の由来はね・・・」。
藤本氏にはお会いしたことはないのだけれど親しくする人から時折聞いているうちに私も勝手に親しみを覚えたのです。
初めて私のためにと手編みしたベストをプレザントされ、私も人生初の手編みを頂いた。そんな若いころの忘れられない日も想い出す。
以来、藤本義一という名はいつもWさんを伴ってもいた。

私の若いころその作品に親しみ楽しませてくれた作家野坂昭如氏、映画監督大島渚の両氏も作品作りから遠くのいて久しい。

「人生は暇つぶし」。亡き談志師匠の言葉を弟子が語っていた。
人は生まれたときから死ぬことがわかっている。人生限りがある。そのときまでの時間つぶしを生きる。どのように暇をつぶしながら生き過ごすか。

一度だけの人生。ここに至って思えば人生など短いものだ。だったら「したいことをやって生き抜いたもん勝ち」。藤本氏の訃報に、残り少ない余命になった今になって思ったりする。


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Posted by okinawa-nagoya at 10:17│Comments(0)作家 本
 
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