2012年07月12日

「報道されない沖縄」 宮本雅史著

沖縄に関する本と言えば、「沖縄の食」「沖縄の昔話」「沖縄四方山話」等々にとりわけ多くみられるものが「沖縄の歴史」「沖縄戦史」の類。これらが地元の出版社から発刊されてきた。

10数年前の『沖縄ブーム』時に、本土出版社から多く発刊されたのが沖縄観光や移住の案内、沖縄面白あれこれの沖縄礼賛、沖縄は楽園だ調の書籍の氾濫だった。
その類の書籍のあまりの礼賛、楽園案内の氾濫に疑問を持ち 始めたのがこのブログだった。
「沖縄大好き沖縄最高、沖縄への疑問ましてや批判など到底許さない」的沖縄ナショナリズムの匂いに気圧され、沖縄に住まう「ヤマトーンチュ」としては、沖縄の事象に疑問を呈す表現には気を遣いつつのブログだった。

が、このブームが終わろうかという頃から沖縄礼賛とは視点ががらりと変わる沖縄の現実と姿勢、本土政府の沖縄対応の歴史を採り上げる多くの書籍が出版されてきた。
これら書物はこのブログでも紹介をしてきたのですが、ここに新たに紹介したいのが、角川学芸出版発行『報道されない沖縄』宮本雅史(産経新聞社沖縄支局長)著です。

どうヤマトーンチュが読み、どうウチナーンチュが読むのかはそれぞれにまかせるとして、沖縄の現実を知る上にどちらにもこれらの書物を読んでほしいものだと思うのです。

「ヤマトーンチューが書いた書物」と一蹴するのではなく、これらの書物の中から見える沖縄の実情を踏まえ、なぜ沖縄が復帰40年まだまだ「程遠い内地並み」の現実にあるのかを考え、さてこれからの沖縄をどうして行くのか、沖縄の是は是としそこにある沖縄の力をどう活かし、非は非と確認すべきことあらばその非をどう是正してこれからの力を作ってゆくのかを考えたいもの。これらの本の中に日頃触れている新聞や諸報道、書物とは違う視点から見える沖縄があると思うからなのです。そこに、もう「基地負担」「沖縄戦の償い」「復帰後の振興を」という打ち出の小槌に頼ることない「内地並み」に向けこれからの沖縄を作るに参考になるものがあると思うからなのです。

紹介した書籍
沖縄関連本
沖縄幻想 奥野修司著
沖縄 誰にも書かれたくなかった戦後史 佐野眞一著



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Posted by okinawa-nagoya at 17:49│Comments(0)作家 本
 
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